手術、からの手術
前回胸水を抜いてひと安心♪
となっていた私でしたが現実は全く甘くなかった。
翌日には再貯留を確認。
私はというと、この頃から身体がしんどくなっていきました。
張りどめの点滴の副作用で手が震え、背中は同じく副作用の筋肉痛で起きるのも寝返りもつらい。
寝返りがつらい原因は他にもあって、胸水で肺がつぶれている赤ちゃんは羊水を取り込めず、私は羊水過多になってしまっていました。
32週で腹囲は100cm越え。
前回の長女の時で100cmを越えたのは10ヶ月入ってからだったから早い。とても9ヶ月少しのお腹に見えない。
大きさ以上に羊水が多いというのはすごくしんどい。質量として大した違いはないのかもしれないけど、とにかくずっとお腹が重たく、寝返りするだけで背中の皮が引っ張られるような感覚だった。そこに副作用の背中筋肉痛もあって、トイレに行くだけなのにベッドの起き上がる機能で身体を起こしてやっと起き上がりふうふうと息を切らしながらよちよちと動いていた。寝る時も横を向いてるだけではお腹全体が重力に引っ張られてちょっと痛く、お腹の下にクッションを挟んでみたりと試行錯誤、結局手で軽く支えながら寝ていました。
さて、こんな母の中にいる赤ちゃんはというとめっちゃ元気。眠れそうになってきた私のお腹をドスドスと蹴り飛ばしていました。
前回取った胸水の成分を調べた結果はやはりリンパ液とのこと。
これで病名は乳び胸水になるそうです。
乳び胸水とはリンパ管が作られる過程でリンパ管が破損し、リンパ液が漏れ出しているらしい。
胸水や腹水だと他にも臓器が作られる過程で破損して臓器から何かしらの液が漏れる事があるそうです。
うちはリンパ液なのでシャント術が適用になりました。
シャント術とはシャントチューブという管を赤ちゃんに刺して、中のリンパ液を継続的に抜けるようにします。
片肺に1本ずつシャントを刺すので2本刺します。
手術は翌日。
前回の穿刺手術からわずか3日での再手術でした。
転院、手術
NICUのある病院への転院を勧められ、転院したら手術になりました。
朝イチで入院手続きをし、移動後に即着替え…分娩着でした。ちなみに最初に移動してきたのも陣痛室。
で、医師から手術について説明。
赤ちゃんが動かないように眠くなる薬を入れます。私には局所麻酔で針を刺します。
肺の周りの水分はできるだけ抜いて、お腹の水は成分を調べるために少し抜きます。
こんな感じでした。
後に気付いたのですが、肺が圧迫されて小さくなっていることは大きな問題ではなかったみたいです。
大きな病院のせいか、NICUがあるから慣れているのか…肺は膨らませられるから~という感じでした。
午後イチの手術なので朝ごはんは食べてきたけど昼はなく…。麻酔科や産科のカルテ用の質問に答えつつお腹空いたなと思った頃になって呼ばれました。
点滴っぽい針を刺され、まずは赤ちゃんの眠くなるという麻酔を入れます。
でも中の人がなかなか寝ない。
徐々に強くなる麻酔…
私の方が寝ました。
途中針を刺されてイテッとなりつつ…起きたら夕方でした。
麻酔の影響でサチュレーションが下がっている為まだ起きないで下さいと言われてしばらく寝ました。
終わってからは病室に車椅子で案内され、張り止めの点滴を入れつつ数時間おきに張りの確認。
↓術後のお腹
絆創膏…!
手術は無事成功。
全部で100cc程度の水を抜いて、腹水はまだ残っているけど胸水はほぼ全部取れたそうです。
再貯留する可能性はまだあるそうなのでもう大丈夫というわけではなかったのですが、とりあえずひと安心。
その日はゆっくり眠れました。
2人目の胸水
2人目の胸水も長女と同じく肺の周りに約1cmたまっていました。
とはいえ先生が違ったせいか週数のせいか今回は即入院でした。
↓入院当日くらい。横から見た感じです。赤い矢印は9ミリちょっとで矢印のあたりはみんな水になります
↓こちらは輪切りにした画像。
赤丸内がおよそ体になり、中の白いのが肺、真ん中の黒い部分は心臓で、肺を囲うようにある黒く見える部分は胸水です。
本来黒い部分は無いのが普通です。
エコーでは細かくはわからないのでMRIを撮ることが決まり、とりあえずMRIが空き次第検査することに。
MRIってとても人気らしく、外来での検査となるとだいぶ待つらしい。だから入院して隙間時間に検査すると。
毎日エコーで胸水を確認。
先生は10数年産婦人科医しているけど胎児胸水は初めて見た、と仰ってました。そんなに珍しいのか。
今回は少しずつ増えていってました。
一週間後、やっと空いたMRIに行けた。
今空いてるから検査しましょう!と呼ばれたのは夜の23時頃。MRIってそんな時間まで稼働してるんだ…
看護師さんに案内され、歩いて行ってみると入ってすぐに終わったのかベッドごと来たんだろうなっていう感じの迎えを待っているらしい方が。MRIはやはり人気。
検査着に着替えてからカプセル型のMRIで撮影開始。赤ちゃんが動かなかったのですんなり終わりました。
検査の方が妊娠中だからととても気をつかってくれて体勢が楽になるようにとタオルを挟んでくれたりブランケット借してくれました。
この時年末で病院内も肌寒い感じだったのですが、MRIの中がじわじわ温かくなるので検査が終わる頃には暑かったです。
↓入院数日、MRI検査前日?くらい
これはどうなってるのかよくわからないんですが、水に押されて肺が縮小しているそうです。
翌日、検査の結果を説明されました。
胸水は増えてて片肺は約半分くらい潰れ、腹水も少し確認されました。そして顔や頭に浮腫みがみられる…と。
つまり胎児水腫らしい。
このままいけば心臓が潰れた肺に圧迫されて心拍が下がる可能性があり、万一心拍が下がって帝王切開で赤ちゃんを産ませるとしても週数が早いのでNICUのある病院に転院したほうが良いと。
せめて34週過ぎればこの病院でも対応はできるだろうけど現状そんなに待ってられない状態。
という事で転院するために退院することとなりました。
退院した翌日に外来、こちらも大学病院なので激混み。
さらに詳しく見られるらしいエコーで確認し、水は多くはないけど少なくはないから抜いたほうがよいでしょう。まずは穿刺手術で水を抜きましょう、となった。
万一の帝王切開に備えて骨盤のレントゲン撮影と心電図、血液検査を受けて終了。
滞在時間は約6時間…妊婦にはなかなかハードでした。
外来の翌日には入院。
前金15万…高いけどみんな払ってるのよね。
次回は手術です。
2人目
2人目にチャレンジしてもいいかなと思い始めたのは長女が1歳を過ぎた頃。
2次夜泣きが思ったより早く終わったのもあるけど、大きなきっかけはすーっと卒乳していったことと離乳食も進んでて保育園の一時保育も利用できそうなことだった。
混合でやっていて夜ぐずったら吸わせるだけの授乳をしていただけだったものの、いらなくなったんだなと思うと余裕のようなものが出てきた。
なので再び病院を受診。
薬をもらいつつ妊活をして半年ほどで授かった。
これが驚く程に順調だった。
悪阻以外は。
食べ悪阻だったらしく突然カーッと空腹が来てそれを対処しないと吐く。クッキーとかカロリーメイトを持って病院に行ってました。
同時にきつかったのが目まいと頭痛。
眠れない程になったら飲んでと頓服でもらったカロナールが予想よりも効かず、冷えピタでごまかしてました。
誤魔化せるレベルでよかった…
地味にきつかったのが口の中の苦味。
何を食べても苦い。味もよくわからない。食べたあとも苦い。ずっと苦い。
妊婦は亜鉛不足になりやすいからそういった症状が出ることもあるらしいけど、今となってはわからない…。
長女から風邪をうつされまくり、母体は不調でしかなかったが中の人はすくすくと育っていった。
長女が胸水がでた26週も問題なく通過し、30週に差し掛かった頃。
2人目にも胸水が発症しました。
産後2日目、対面
産褥室では15分ほどしか一緒にいられなかった娘。
病院が完全母子別室だったのと私が発熱でぐったりだったのもありほぼ丸一日会えませんでした。
胎児胸水があったため娘には心拍を見ると思われる機械がつけられていて、ミルクを飲むとまた水が貯留する可能性があるので1日1回のエコー診察もしていると説明されました。
今のところ貯留はなく、母乳チャレンジもOKに!
入院中は黄疸の値が光を当てるギリギリだったこと以外は何事もなく進み、無事退院。
今見ると黄疸の値が高かっただけあって顔が黄色いなと思うものの、当時はただただかわいかったです。
2ヶ月くらいになる頃には色白よりな感じになってました。
可能性を指摘されたダウン症でもなく、胎児胸水の原因は完全にわからずじまいでした。
そして娘が1歳半になった頃、
2人目の妊娠がわかりました。
誘発分娩
人がいる時にお産してほしいとのことで誘発になりやってきました37週最後の日。
前泊するのでお産は翌日です。
この日までに心電図やら骨盤のレントゲンやらを終えて、病院内で販売してるお産セットを購入して下準備はOK!あとはお産のみ!
まずは受付。
入院に当たって前金はなし。お産セットがそれに当たるらしい。
そして体重測定。お腹の張りとかの計測。終わったら病室に移動して着替え。
ドラマとかで見たよくある病院着で1日1枚。血とかで汚れたら交換してくれるそう。リネン代はお産セット代に含まれているらしい。
ちなみにこのお産セット、物自体は産褥ナプキンとか入っているよくあるアレを渡されます。変わってるところといえば洗浄綿が2種類入ってました。
昼食後に診察。エコーで赤ちゃんをたっぷりと見せてもらい、頭が大きいと言われ、さらに子宮口は残念ながらクローズ…つまりまったく開いてないからラミナリアで子宮口を広げることに。(痛い)
これで刺激されて夜中にお産になる事も…なんて聞いて淡い期待を抱きながらじんわり腰痛がしんどくて横になる。
夕食後にシャワーを浴びて明日の誘発に向けてポカリにストローキャップつけたりとか準備。緊張してたのもあって渡された睡眠薬を飲んで就寝。
んで翌日。
点滴がつけられて看護師さんいわく水分の点滴に誘発剤を少しずつ混ぜていく感じ。
途中バルーンでさらに子宮口を広げるが、この日は前駆陣痛程度の痛みで終了。
さらに翌日。
前日と同じく朝から誘発剤スタート。
誘発分娩は基本的に2枠くらいなのか私の他に2人のお仲間がいました。
私の様な不発を見越してるのかな。
この日の陣痛は朝からフルスロットルでした。
途中破水もしていたらしくお産は一気に進み、それでも出なかったので吸引分娩になりました。
切ってからそれ入るのかよ!というサイズの器具を入れて吸引。すぽんと産まれました。
なんとか産まれた娘は3000gちょい
赤ちゃんが出ればおしまい…なんて事はなく。
胎盤の取り出しと会陰切開の縫合がありました。
28週まで飲んでいたアスピリン剤。服用している人の胎盤は大きくなりやすい傾向にあるらしく、大きめな胎盤は出る時になかなか痛い。縫合も麻酔されてるはずなのに痛い。麻酔の注射?そもそも痛い。チクチクされてるのも不快と痛いが交互にくる。
されるがままの状態で清拭やおむつ並の産褥ナプキンとかをされ、ベッドに移動されて産褥室に移されました。
産褥室を用意してる病院もあれば、病室にベッドごと移動されたり、陣痛室が産褥室を兼ねていたりと病院によって違います。
産褥室で赤ちゃんとじっくり対面させてもらいました。
かわいい…なんてかわいいんだ。頭とんがってるけど。治るっていうからいいか。
それからお産の進みが早すぎて間に合わなかった夫も到着。立ち会い出産をしていない病院なのでまあいいタイミングでした。
初産だった私、この後たまにあると言われる産後の発熱や誰もが通る道の後陣痛、そして一番辛かったのが収縮の確認。
収縮が悪いって言われ、こまめに確認されたおかげで痛い。毎回呻いてました。
なんとか無事出産を終える事ができました。
胎児胸水 その後
胎児胸水とは全妊娠の0.06%に見受けられ、他の部位にも水の貯留があると胎児水腫となる。
そうなると生存率は著しく下がるそう。
治療法としては母体のお腹に注射針を刺して水を抜く穿刺、それから継続的に水を肺から出すために赤ちゃんの胸にストローの様な器具シャントを刺すシャント術があるらしい。
でも私の場合は水が少なめだったのと他の異常が見られなかったので様子見となりました。
そこから3日おきにエコー。
30分位あお向けなのでしんどい…でも赤ちゃんは元気。
そして変化が現れたのは2週間後。
なんと片肺の水が消失!
さらに翌週にはもう片方の肺も水が減り、30週に入る頃には水が無くなりました。
自然消失10%だったんじゃ…
そんなこんなで32週。
この週数でもぐるぐる回る娘はとりあえず下から産むという前提で38週少し前に計画出産しましょうと決まりました。
ちなみにこの当時胸水で頭がいっぱいだったため、唐突な計画出産の決定に心の準備が全くできてませんでした笑